過去の新型インフルエンザ
1.過去に流行した新型インフルエンザ
実は、これまでの歴史上、鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染できるウイルスに変異する事態は繰り返されてきました。
毎年冬になると流行するインフルエンザも、元々は、鳥のウイルスが突然変異し、ヒトからヒトに感染する性質を持つようになったものです。
例えば、20世紀以降に流行した新型インフルエンザには、スペインインフルエンザ、アジアインフルエンザ、香港インフルエンザなどがあり、それぞれ多くの死亡者が発生しました。
スペインインフルエンザ
(H1N1型/弱毒性) | いわゆる「スペインかぜ」。1918年に流行し、記録がある限り、人類が遭遇した最初のインフルエンザの大流行(パンデミック)とされる。世界での感染者は約6億人、死亡者は約4,000~5,000万人で、全人類の約3割が感染したことになる。日本での感染者は約2300万人、死亡者約45万人といわれる。
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アジアインフルエンザ
(H2N2型/弱毒性) | 「アジアかぜ」「A香港型」とも。1957年に流行した新型インフルエンザ。世界での死亡者は約100~200万人、日本での感染者は約300万人、死亡者約5,700人。
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香港インフルエンザ
(H3N2型/弱毒性) | 「香港かぜ」とも。1968年に流行した新型インフルエンザ。世界での死亡者はおよそ50万人といわれる。
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豚インフルエンザ
(H1N1型/弱毒性) | 2009年4月にメキシコで農場のブタなどから発生し流行した直近の新型インフルエンザ。パンデミックが認められ、WHO(世界保健機関)が2009年6月に警戒水準を最高値のフェーズ6に引き上げた。
WHOがまとめた2009年7月末日時点での累計は、症例数が約16万、死亡者が約1,100人。 2013年現在では既にワクチンが完成しており、従来のインフルエンザワクチンに混合されている。 |
新型インフルエンザは、10年から40年の周期で流行するといわれています。
新型インフルエンザがいつ発生するのか予測することはできませんが、過去の発生周期や近年の鳥インフルエンザの流行などから、近い将来、あらたな新型インフルエンザが再び世界的大流行(パンデミック)を引き起こすのは確実であると考えられています。
- 2009年4月 メキシコ、アメリカなどでH1N1型 豚インフルエンザのヒトへの感染を確認。
- 2009年4月28日 WHOが新型インフルエンザ(H1N1型)について世界的流行の警戒水準をフェーズ3(散発的・限定的なヒト-ヒト伝染)からフェーズ4(コミュニティレベルの大発生の要因となるヒト-ヒト伝染)に引き上げ。
- 2009年4月29日 WHOが警戒水準をフェーズ5(ヒト-ヒト伝染が複数国で広まる)に引き上げ。
- 2009年6月11日 WHOが警戒水準をフェーズ6(地球規模の流行)に引き上げ、パンデミックを宣言。
- 2010年6月10日 WHOが最も深刻な時期は脱したと表明。
- 2010年8月10日 WHOが警戒水準をフェーズ6からポスト・パンデミックへ引き下げ、世界的大流行の終結を宣言。
- 2013年3月4日 インフルエンザで中国 上海の男性が死亡。続けて10日にも別の男性が死亡する。
- 2013年3月31日 4日・10日の男性の死亡原因が「H7N9型 鳥インフルエンザ」と中国国家衛生・計画出産委員会が発表。
- 2013年4月 H7N9型ウイルスの感染は鳥-ヒト間に限られ、ヒト-ヒト感染は発見・報告されていないものの、その後も感染者・死亡者が増加。警戒が高まっています。